リチャード・ジュエル見てきました。初めてのクリント・イーストウッド監督作品。
二宮が出るやつもスナイパーが苦悩するやつもおじいちゃんが危ない粉を運ぶ映画も見ていない私ですが、この映画はなんかCM見て気になったので。
めちゃくちゃ暴論ですけど、こう言う現実の話を元にした映画って、とっても良くできた奇跡体験アンビリーバボーになるんだと思ってます。
ただそのアンビリーバボーの再現VTRでは出来ないクオリティとか、映画だからこそできる部分をどう楽しむか、みたいな。
この映画は自分の中ではへーアトランタオリンピックの裏でこんな事件があったんだーだっていう枠を越えませんでした。
事件について調べてみよっかなとは思ったけど今年のマイベストテンとかに入るような感じのものではなかったですね。面白かったけどね。
という訳で以下、ネタバレを含んだ感想です。ネタバレ見たくない人は映画見てからまた読みに来てください。
アトランタオリンピックの開催中に爆破事件が起きる。警備員をしていたリチャード・ジュエルは爆弾の第一発見者で、いち早く周りの人間を避難させた勇気ある人として一躍英雄に。
しかし、第一発見であることと過去の素行なんかから、一転FBIに疑われることに。連日マスコミに追われ生活は崩壊。英雄から3日で爆弾魔扱いされる急転直下。辛い。
雑にあらすじを言うとこんな感じ。
第一発見者は疑えっていうのはまだわかるんだけど、証拠から犯人を探すんじゃなくて犯人だと思った奴が不利になるように証拠を捏造…とまでは言わないにしても強引な手段で無理矢理にでもジュエルを犯人にしようとしてくるFBI捜査官。
それにスクープを取るためなら体の1つや2つ使ってでも他社を出し抜いてうちが一番に記事を書いてやるんだから!だってあたしはキャリアウーマン!35億!!!(そういえば最近ブリリアン見ないね。)っていう女記者。
このFBI捜査官と女記者の合わせ技でジュエル犯人説の記事が世に出てしまってそこからが地獄の日々になってしまう。
ジュエルは昔の職場で面識があった弁護士に助けを求めるんだけど、正直この弁護士がほぼ主人公。この人いないとジュエルは電気椅子送り間違いなし。
弁護士「おいジュエル、余計な事を言うと不利になるだけだからFBIとは俺が話す。お前は黙ってろ。」
って言ってるのに1分後にはベラベラ喋りだすジュエル…
実は弁護士に言ってなかった前科があるジュエル…
普通の人では考えられない数の銃を所持しているジュエル…(世間が抱く爆弾犯の印象にピッタリ)
こんな感じでリチャード・ジュエルっていう人も大概な奴なわけ。(だからこそ最後にFBIに一発かます場面が盛り上がるっていうのはあるけど)
ほんとにこの弁護士さんと出会ってなかったらすぐ捕まってたと思う。
話の流れにあんまり納得がいかなかったところ
反撃だ!つって弁護士とジュエルであることないこと新聞に書きまくる女記者のオフィスに乗り込みます。
弁護士「ジャーナリストが聞いて呆れるぜ!適当なことばっか書きやがって!」
女記者「真実を書いてます!」
みたいなやり取りがあって。
更に数日後、ジュエルの母親が会見を開き、確たる証拠もないのに雰囲気で操作するFBIと、常に周りにいてプライベートを壊すマスコミに対していい加減にしてくれっていう話をするわけ。
そしたらその会場にいた女記者泣いてんのよ!いやいやいやいやお前が!一番最初に!!始めたことじゃない!!!
こんなことになるとは思ってなかったとか、そういう気持ちかもしれないけど、お前嬉々としてジュエルの家の前で家を尋ねる人全員に話聞こうとしてたやんけ!!!!何を今更!!!!
更にその後この女記者は、犯行現場から911に爆弾予告が行われた電話ボックスまでの距離を測って「移動時間的にジュエルに犯行は無理…」とか言い出します。
今!?
その電話ボックス割と最初の方からわかってたよね??地元の新聞記者なんだから土地勘もあるよね??距離とかすぐわかったよね??今まで触れてなかったからジュエルを悪く書くためにわざとスルーしてるのかと思ってたわ。
何で今!!!???
しかもこの後わざわざFBI捜査官に「時間的にジュエルに犯行は無理!」とか言いに行きます。
おっそ!!!!!!
そんな事するなら最初にジュエルの名前を出した報道もちゃんと裏取りしてから出せばよかったのに!!!ゴリ押ししたくせに!!!
この女記者、出世のためなら人の人生がどーなろーと知ったこっちゃないキャラとして描かれてんのかと思ったら何か最後の方で急に人格が変わったみたいな感じがしてご都合主義的なものを感じてしまいました。
まとめ
そんなこんなで、終盤納得行かないところはあったのですが、アトランタオリンピックの裏でそんな事件があったことなんて知らなかったですし、実際にこの事件について調べてみようと思ったりもしたので、実際の出来事をもとにした映画として見た意味はあったかと思います。
ただ映画としてどうだったかと言われると…って感じ。冒頭でも言ったけど、面白くないわけじゃないんだけど、めちゃくちゃ面白いわけでもない…クリント・イーストウッド作品が好きな人から見るとまた違うんでしょうか??
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